糖尿病治療のガイドラインについて
糖尿病治療ガイドでは、歩行運動は1回15分〜30分くらいで、1日2回、歩数で計算すると1日で約1万歩の歩行を行うことが理想的とされており、その程度の運動を実施すると、約160〜240kcalの消費が見込まれ脂質代謝が改善していきます。
しかし、毎日30分の歩行を継続することが難しく、運動が続かなくなることも少なくありません。
そのような場合にはどうすればよいのでしょうか?
オススメ方法細切れ運動
これまでの運動では連続した歩行を中心に薦められてきましたが、最近では1回3分の運動を10回行う細切れ運動でも、1回30分のまとまった運動と同等に食後高脂血症を改善するという報告もあります。また、肥満者を対象とした研究では1回10分の運動を3回行う群と1回30分の運動を連続する群で比較すると、両群ともに体重やBMI、腹囲に有意に改善がみられたとされています。連続した歩行では体力に自信のない者や関節に痛みが生じている者にはかなり負担が大きい運動となります。
しかし、時間を細かく区切って実施したとしても同等の効果が得られるのであれば、運動に対して行う自信がない者でも手軽に取り組みやすいためオススメです。
1週間で150分間運動を目指しましょう
では、1日30分の運動を連続でも細切れでも実施できたとします。
しかし、これを毎日続けることが難しいということもあるでしょう。
そんな時に、目安にしておく時間があります。それが1週間で150分間の運動実施です。最近の介入研究では週150分間以上の運動群では、HbA1cの低下効果が大きかったと報告されており、また、「健康づくりのための身体活動指針」にも記載されています。1週間で150分間ということは、週2日運動をしない日も作ることも可能ですし、1日の運動時間を少し抑えることも可能です。運動自体が苦手な方や仕事などでなかなか時間が割けない方にも、この考えをもとに実施すると少し運動が身近なものになります。運動への取り組み方は様々です。しかし、最も大切なことは例え数分と短い時間でも取り組み始めることです。まずは、少しでもできることから始めてみましょう。参考文献:糖尿病治療ガイド2012-2013、Physical activity advice only or structured exercise training and association with HbA1c levels in type 2 diabetes、 Exercise and postprandial lipemia: effect of continuous compared with intermittent activety patterns.
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