糖尿病患者は増えて続けている
糖尿病の発症は、日本のみならず世界的にも大きな問題になっています。
世界保健機構(WHO)の報告によると、1980年では1億800万人であった患者数は2014年までに4億2,200万人と約4倍近くまで増加しています。
それに伴い医療費の負担も増え、世界での糖尿病医療費は約90兆円とされ、日本においても約8兆円にも上り、世界で第7位となっています。この状況を打開するためには、生活習慣を改善し糖尿病予備軍の減少、糖尿病の合併症進行予防に取り組んでいく必要があります。
その方法はやはり、体を動かすこと。つまり運動(療法)を行うことです。
運動への取り組み
運動がなかなか上手く続かない人の言葉で、「若い時はもっと動けていたのに。」ということを耳にします。これは、以前の運動機能と比較し、以前出来ていた負荷で運動を実施しようとするために起こります。
年齢とともに運動機能も低下するため、身体が耐えられず、運動は厳しいものと感じ止めてしまうのです。
運動療法に不可のある運動は✖️
運動が続かない人の特徴として、キツイ運動を行おうとしている傾向にあります。
しかし、運動療法にはキツイ運動はむしろ逆効果です。実は、脂肪を燃焼させるには「楽にできる」から「ややきつい」程度の運動で効果が大きいのです。
その程度の運動が脂肪を燃焼させやすい有酸素運動の状態になります。
キツイ運動を行うと無酸素運動の状態になり、脂肪の燃焼が起きにくくなってしまいます。
そのため、無理なくできる程度の運動で十分効果があるので、楽に続けられる運動を選択してみて下さい。
時間のない方の工夫
運動の時間を取れないと悩まれる方も少なくないでしょう。
そのような方には、無理に運動にこだわるのではなく、家事や通勤時間を利用して体を使うことをお勧めします。
部屋の掃除や通勤で工夫してみよう
掃除を例に挙げてみると、力を入れて床の拭き掃除をすることも有効です。
30分の掃除でお茶碗約1杯分のカロリー消費を促すことができます。
通勤では電車を1駅手前で降りるという工夫もできます。運動ができないと悩まれる方は、まずは身の回りのことを少し変えるだけでも生活習慣が変わってきます。できることから始める。これが大切です。

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