
リラックス効果から花粉症効果まで
ペットボトル入りのお茶が販売されるようになって、若者もお茶を良く飲むようになりました。同時に、その成分や機能性は以前から良く研究されています。お茶(チャノキ)は、ツバキ科の植物でインドや中国が原産と言われていますが、日本国内でもさまざまな品種が開発・栽培されています。最近では「サンルージュ」と呼ばれる赤ワインのような赤紫色になるお茶まで開発されています。お茶の成分ポリフェノール
お茶の成分として最も知られるのがカフェインとポリフェノールではないでしょうか。 そして、このポリフェノールは、ある化学構造を持った物質の総称なのでさまざまな種類があります。 一番有名なお茶のポリフェノールは「カテキン」ですが、茶葉を醗酵させた紅茶などはカテキンが重合したテアフラビンなどが増えてきます。
お茶のリラックス効果
お茶の成分のアミノ酸の一種「テアニン」にはリラックス効果があることが知られています。 このテアニンの含有量を増やすためにチャノキにはあまり日光を当てないようにするのが良いと言われています。 2007年には、12名の被験者を4つのグループに分けて行った小規模な実験ですが、テアニンを摂取した人はストレスに対して心拍数(HR)の上昇、唾液中ストレスマーカー(IgA)の分泌を抑えるといった報告があり、その後もテアニンを飲むことによって脳のα波を誘導するなどの研究成果が発表され、現在では機能性表示食品の関与成分としても知られるようになってきました。実際にある健康食品には、「L-テアニンには、睡眠の質を高めること(起床時の疲労感や眠気を軽減すること)が報告されています。」とパッケージに表示されています。近年では花粉症への効果も
最近では、「べにふうき」という品種の「メチル化カテキン」といった成分が花粉症などのアレルギー症状に効果があるということで注目されています。 例えば、スギ花粉症患者36人を2つのグループ(べにふうき短期飲用、長期飲用)に分けて行った試験では、長期飲用(15週間)のグループでは短期飲料に比べて鼻の症状の改善がみられました。 また、同様の試験を「やぶきた茶」などど比較して実施しています。こちらの研究成果もテアニン同様に機能性表示食品として製品化されています。
※参考文献 Biological Psychology, 74: 39-45 (2007) Allergology International,58:437-444(2009)